介護資格キャリアパス

介護の資格

介護の現場では、資格がとっても重要です。

資格を取得することによって介護に対する専門知識や技術を学習することができ、仕事の幅も広がり安心感を持って仕事に臨むことができます。

また、事業所は有資格者の採用や有資格者の人材育成に積極的になっていて、採用面や給料などの待遇面でも有利に働きます。

介護職員初任者研修からはじまり、実務者研修、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)と資格を取得することで、介護サービスの質の向上につながり、キャリアアップも目指すことができ、長く介護職で働こうと思っている方にとってのモチベーションにもなっています。

※「介護職員初任者研修⇒実務者研修⇒介護福祉士⇒認定介護福祉士」が現在(2022)のキャリアパスです。

介護職で最も重要な資格

介護職で重要な資格は以下の4つです。

介護職員初任者研修 - 介護の入門となる初級資格 -

  • 訪問介護に必須の資格
  • 基本的な介護業務を実践するために必要な基礎的な知識、技術、考え方を習得することが目的の研修

介護職員初任者研修

実務者研修 - 介護福祉士国家試験の受験資格 -

  • 3年以上の実務の経験がある実務経験者が、介護福祉士国家試験を受験するために必要な研修
  • 期間は2〜6ヶ月、授業時間は50〜450時間
    ※保有資格によって異なります。
  • 医療的ケア(たんの吸引など)が学べる

実務者研修

介護福祉士 - 介護のプロであることを証明する国家資格 -

  • 介護職の国家資格
  • 専門性の高い介護の知識・技術を習得
  • 求人の応募資格としてのニーズも高い

介護福祉士( 国家資格)

介護支援専門員(ケアマネジャー)

  • 各都道府県自治体の公的資格
  • ケアプラン作成

介護支援専門員(ケアマネージャー)

資格名取得期間目安費用ポイント
介護職員初任者研修
(旧ホームヘルパー2級)
カリキュラムは130時間で最短1ヶ月で取得可能です。
修了試験はあるが、合格率はほぼ100%
基本的に講座を受講して出席すれば合格できる資格。
5万円台~介護の基礎的な知識と技術を習得できる入門の資格。
無資格の介護職員に比べ、介護職員初任者研修の取得者の方が月収が2~3万円ほど高い。
実務者研修通信制と通学制があります。カリキュラムは合計450時間、約6か月で取得可能です。保有資格によって異なる介護福祉士国家試験を受験するための必須資格。
減算の対象にならない「サービス提供責任者」になることができる。
医療的なたん吸引、経営栄養もできるようになる。
年収アップやキャリアアップにつながる。
介護福祉士
(国家資格)
資格取得には、実務経験ルートと養成施設ルートがある。
国家試験を受験して合格する必要がある。
実務経験ルートは実務経験3年以上(在職期間3年以上、実働日数540日以上)
と実務者研修修了が受験資格
介護職唯一の国家資格
介護の上級資格
減算の対象にならない「サービス提供責任者」になることができる。
年収アップやキャリアアップにつながる。
介護支援専門員
(ケアマネジャー)
法定資格を持つ場合は介護施設等で5年以上の実務経験
法定資格がない場合は所定の施設で10年以上の実務経験
「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験して合格する必要があります。
介護の最上位資格
主な仕事はケアプラン作成・連絡調整、保険請求業務など事務的な仕事。
国家資格ではなく、都道府県の認定資格(公的資格)
年収アップやキャリアアップにつながる。

認定介護福祉士

専門的で高度な技術をもつ介護福祉士よりさらに専門性を追及した、介護福祉士の上級資格です。(社)認定介護福祉士認証・認定機構が認定団体になります。

2016年12月24日に全国で初めて「認定介護福祉士養成研修」が長野県介護福祉士会の主催でスタートしました。今後は他県でも研修の認証が進み、養成研修が行われる見通しです。

こちらの記事が参考になります。↓

認定介護福祉士
介護福祉士の新たなキャリアパス!認定介護福祉士とは?

平成23年より導入が検討されていた介護福祉士の新たなキャリアパスの仕組み「認定介護福祉士」の養成研修がいよいよ本格的にスタート。平成28年12月24日に全国初の養成研修が長野県介護福祉士会の主催で始ま ...

それぞれの介護サービスを行う上で必要な資格

資格名ポイント
生活援助従事者研修ホームヘルパーとして生活援助をするための基礎的な知識や技術を学びます
喀痰吸引等研修医療的ケア「たんの吸引」「経管栄養」の技術を習得するための研修
同行援護従業者養成研修 視覚障害者に対して同行援護をサービスを提供できる資格
行動援護従業者養成研修知的障害・精神障害者に同行援護サービスを提供できる資格
移動支援従事者(ガイドヘパー)障害を持つ方々の移動に関しての補助、外出の介助。外出介助の仕事の幅を広げることができる。
社会福祉士(国家資格)介護計画や相談、社会復帰や退院後のケアプランを作成する相談援助のスペシャリスト。医療機関や地方自治体の福祉課、行政の地域包括支援センターなどでソーシャルワーカーとして活躍

介護の現場で役立つ知識を得ることができる専門資格

介護の現場で役立つ知識・スキルを習得できる専門的な資格です。
基本的な資格以外と合わせて取得することで、仕事の幅が広がりステップアップに役立つ資格です。

資格名
取得期間
目安費用
ポイント
通信だけでも受講できる。修了試験などは無いので、受講すれば資各が取得できる。最短3日
2万円台~
介護保険などを通して福祉サービスを利用した際に、そのサービスにかかる費用を算定する「介護報酬請求業務」オフィスワーク
通信講座の標準学習期間は3ヵ月(1日の学習時間を30分~1時間と設定)、添削回数は4回+最終課題(試験課題)通学講座は、2日間(6時間×2日間=12時間)
3万円台~
介護とレクリエーションの基本知識や企画・実行の習得を目的とした民間資格
介護予防運動指導員
「財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団」などが指定する受講施設や
スクールを受講。
受験資格は介護福祉士や社会福祉士といった所定の資格を保有し、
実務経験が2年と規定されています。
最短1ヶ月
8万円前後
高齢者の方が要介護者にならずにすむように筋力トレーニングや運動を通して、
心身機能の低下予防を指導するサポート役。
介護保険制度改正需要度が高まってきている資格。
福祉用具専門相談員
都道府県の行う研修40時間、またはシルバーサービス振興会が行う研修50時間最短5日
3万円台~
介護が必要な方への福祉用品のレンタルや販売業務をする上での必須資格。福祉用具貸与事業を行う事業所は、福祉用具専門相談員を2名配置することが
義務付けられています。
難病患者等ホームヘルパー
自治体が指定する養成講習を受講最短3日
2万円台~
障害を持つ方々の移動に関しての補助、外出の介助外出介助の仕事の幅を広げることができる
重度訪問介護従業者
  
障害が重いと認定された方の訪問介護

介護の資格を取る順番は?

最初に取るべき資格は

彼女(管理人の奥さん)は、介護職にアルバイトとして働き始めてから半年後にホームヘルパー2級を受講しました。
※現在では、ホームヘルパー2級は廃止され「介護職員初任者研修」になっています。

取得期間は通信とスクーリング(通学)を組み合わせた併用コースで約3ヶ月間。
※通学講座(スクーリング)では最短で1ヶ月程で取得できます。

その後、実務経験を積みながら介護福祉士の受験資格である3年を満たして、介護福祉士国家試験を受験、合格となりました。

まずは、介護の仕事をしながら「介護職員初任者研修」を取得することをおすすめします。

介護の仕事を始めた最初の頃は、わからないことだらけです。仕事をする上でも、基礎の知識や技術がわかっていれば安心して働くことができます。

もし、時間とお金に余裕がある方は「介護職員初任者研修」を飛ばして、「実務者研修」の資格を取得をするのもいいと思います。

将来的に介護福祉士を目指す場合は、「実務者研修」の受講が必須となります。

「介護職員初任者研修」を修了すれば、実務者研修の450時間のうち130時間(初任者研修受講分の130時間)が免除・時間短縮されるので、先にとっておいても損はない資格です。

50歳から転職して介護福祉士になった話

介護の資格のキャリアパス(キャリアアップの道筋)について


  • STEP1

    「介護職員初任者研修」(旧ヘルパー2級)


  • STEP2

    「実務者研修」(旧介護職員基礎研修)


  • STEP3

    「介護福祉士」


  • STEP4

    「介護支援専門員」(ケアマネジャー)


2012年以前は、ホームヘルパー1級・2級、介護職員基礎研修、介護福祉士など資格が様々で、それぞれの資格が連動していなかったり、講習の内容が重複していたりして、システムが複雑でした。

そこで厚生労働省は、介護職員の質の向上とキャリアアップをめざし、介護職の資格制度を整備してキャリアパスを明確化しました。

「介護の資格を取得するメリット」

  • 給料アップ
  • 介護に対する技術アップ・知識が広がる。
  • 未経験・無資格で取得できるので、あらかじめ就職前に取得しておくと、初めて介護職で働く人も基礎がわかっているので、安心して取り組める。
  • 即戦力として働くことができるので、就職・転職の際に有利に働く。
  • 将来。自分の身内で介護が必要になった時にも、学んだ知識・技術が活かせる。
  • 介護職員としてではなく、ホームヘルパー(訪問介護職員)として働くことができる。

現在は違う仕事をしているけれど、将来は介護の仕事に就きたい!
どんな資格を持っていたらいいんだろう?

最低限、「介護職員初任者研修」を持っていれば就職に困ることはないと思います。

介護の知識が全くない状態で就職するのと、知識がある状態で就職するのでは全く違います。知識が全くない状態で就職すると、戸惑いが多く長く続けることができない方もいます。

入ってから覚えればいいと思っていても、実際は丁寧に教えてくれる職場ばかりではありません。そんな時に「介護職員初任者研修」の知識があれば、戸惑いも少なく自信を持って仕事ができます。

知識を持っていることで、職場でのコミュニケーションも円滑になり楽しくなり結果として早く職場に溶け込めるようになります。

介護の仕事とはどんなものかを知る上でも「介護職員初任者研修」を受講するのがおすすめです。