介護職に就きたいけど、給料って一体どのくらいなのだろう?って心配になりますよね。求人を見ても、施設や事業所、資格の有無によってまちまち…。
だいたいの目安がわからないから不安です。
厚生労働省の調査では、介護施設で働く常勤介護職員の平均月給が2018年9月時点で30万970円と前の年と比べて1万850円増え、09年の調査開始以来、初めて30万円を超えました。
ここでは介護士、介護福祉士の「平均的な月収・年収」について他の介護職と比較して徹底調査しました。
介護職員全体の平均的な給料は?
厚生労働省 2018年度(平成30年10月)賃金調査結果では、介護職員の平均月給は300,970円
※介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得している施設・事業所における介護職員(月給・常勤の者)の 平均給与額
前年度実績より10,850円のプラスになっています。09年の調査開始以来、初めて30万円を超えました。
平均月給には基本給のほか、諸手当や賞与も含まれます。月給のうち基本給は18万1220円で、前年と比べて3,230円の増、諸手当は7万1330円で3,610円の増、賞与(一時金)も4万8420円と4,010円増えました。
介護現場での人手不足感が強まるなか、待遇の改善で職員の引き留めを図る施設が増えたこと、厚労省が介護職員の処遇を改善するために職員1人あたり最大で月3万7000円に相当する介護報酬を支払っており、これらが給与水準を押し上げる要因になりました。
参考:厚生労働省 平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果
介護職での給料を左右する要素
- 保有資格
- 経験年数
- 介護技術・実務能力
介護職で給料・年収を増やす方法については、別記事の「介護職で給料アップ!『月収・年収を増やす』5つの方法」をご覧ください。
介護職種ごとの常勤の者(正社員・パート社員)の平均月収の比較
介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得(届出)している事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額
介護職員(常勤の者)の平均的な月給
平成30年 | 平成29年 | 前年比 | |
---|---|---|---|
介護職員 | 300,970円 | 290,120円 | + 10,850円 |
看護職員 | 372,070円 | 364,880円 | + 7,190円 |
生活相談員 支援相談員 | 321,080円 | 312,390円 | + 8,690円 |
理学療法士 作業療法士 | 344,110円 | 334,500円 | + 9,610円 |
ケアマネジャー | 350,320円 | 342,770円 | + 7,550円 |
事務職員 | 307,170円 | 300,120円 | + 7,050円 |
調理員 | 254,450円 | 249,450円 | + 5,000円 |
管理栄養士 栄養士 | 309,280円 | 301,300円 | + 7,980円 |
※平均給与額は基本給(月給)に各種手当・一時金を含む総支給額
※表は厚生労働省 「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考
介護職員(常勤の者)の平均的な月給の内訳
介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得(届出)している事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額の内訳。基本給、手当、一時金(賞与等)ごとに、平成29年と平成30年の状況を比較すると、基本給が3,230円の増、手当が3,610円の増、一時金が4,010円の増となりました。
平成30年 | 平成29年 | 前年比 | |
---|---|---|---|
平均給与額 | 300,970円 | 290,120円 | +10,850円 |
うち、基本給 | 181,220円 | 177,990円 | +3,230円 |
うち、手当 | 71,330円 | 67,720円 | +3,610円 |
うち、一時金(賞与等) | 48,420円 | 44,410円 | +4,010円 |
介護職員(常勤の者)の平均的な基本給
介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所における介護職員 (月給・常勤の者)の基本給
平成30年 | 平成29年 | 前年比 | |
---|---|---|---|
介護職員 | 181,220円 | 177,990円 | + 3,230円 |
看護職員 | 234,150円 | 231,730円 | + 2,420円 |
生活相談員 支援相談員 | 210,570円 | 206,980円 | + 3,590円 |
理学療法士 作業療法士 | 227,070円 | 224,610円 | + 2,460円 |
ケアマネジャー | 217,690円 | 215,730円 | + 1,960円 |
事務職員 | 208,330円 | 204,070円 | + 4,260円 |
調理員 | 176,120円 | 174,250円 | + 1,870円 |
管理栄養士 栄養士 | 206,770円 | 204,940円 | + 1,830円 |
※平均基本給(月給)は手取り額ではなく、総支給額
※厚生労働省 「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考
介護職種ごとの非常勤の者(パート・アルバイト)の平均的な時給額
介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得(届出)している事業所における介護職員 (時給・非常勤の者)の平均基本給額です。
平成30年 | 平成29年 | 前年比 | |
---|---|---|---|
介護職員 | 1,110円 | 1,090円 | + 20円 |
看護職員 | 1,410円 | 1,400円 | + 10円 |
生活相談員 支援相談員 | 1,070円 | 1,040円 | + 30円 |
理学療法士 作業療法士 | 1,540円 | 1,530円 | + 10円 |
ケアマネジャー | 1,280円 | 1,270円 | + 10円 |
事務職員 | 950円 | 940円 | + 10円 |
調理員 | 900円 | 890円 | + 10円 |
管理栄養士 栄養士 | 1,070円 | 1,070円 | + 0円 |
※平均時給額は手取り額ではなく、総支給額
※厚生労働省 「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考
保有資格ごとの平均月収・年収を比較
介護職の月収・年収は資格の有無、職種によって大きく異なります。
表を見れば一目瞭然ですが、より上級の資格を取得することによって、資格手当が増え給料もアップします。また、キャリアップすることによってフロアリーダー、主任、サービス提供責任者、管理職や施設長などになれば役職手当も付きます。
下記の表は、介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得(届出)している事業所における介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額です。
平成30年 | 平成29年 | 前年比 | 平均勤続年数 | |
---|---|---|---|---|
全体 | 300,970円 | 290,120円 | + 10,850円 | 7.6年 |
保有資格あり | 303,460円 | 292,820円 | + 10,640円 | 7.7年 |
介護福祉士 | 313,920円 | 304,630円 | + 9,290円 | 8.4年 |
実務者研修 | 288,060円 | 280,400円 | + 7,660円 | 6.5年 |
初任者研修 | 285,610円 | 273,920円 | + 11,690円 | 6.8年 |
保有資格なし | 261,600円 | 252,490円 | + 9,110円 | 5.2年 |
※平均給与額は基本給(月給)に各種手当・一時金を含む総支給額
※厚生労働省 「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考
保有資格なしとの比較
保有資格 | 無資格者との賃金差 |
---|---|
介護職員初任者研修修了者 | 月給:約 1.6万円プラス 年収:約 20万円プラス |
実務者研修修了者 | 月給:約 2.7万円プラス 年収:約 33万円プラス |
介護福祉士 | 月給:約 4万円プラス 年収:約 50万円プラス |
ケアマネジャー | 月給:約 8万円プラス 年収:約 90万円プラス |
看護師・准看護師 | 月給:約 9万円プラス 月給:約 9万円プラス |
※事業所によって資格手当は異なります。あくまでも目安としてご参考にしてください。
勤続年数で平均月収を比較
常勤の者の平均的な基本給
介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所における介護職員 (月給・常勤の者)の基本給。10年以上勤務している介護職員の平均基本給が初めて20万円を越えました。勤続年数が長いほど高く、勤続年数にかかわらず増えています。
平成30年 | 平成29年 | 前年比 | |
---|---|---|---|
全 体【平均勤続年数:7.6年】 | 181,220円 | 177,990円 | + 3,230円 |
1年(勤続1年~1年11か月) | 168,470円 | 164,950円 | + 3,520円 |
2年(勤続2年~2年11か月) | 170,400円 | 166,030円 | + 4,370円 |
3年(勤続3年~3年11か月) | 171,540円 | 168,230円 | + 3,310円 |
4年(勤続4年~4年11か月) | 172,520円 | 168,660円 | + 3,860円 |
5年~9年 | 175,230円 | 171,980円 | + 3,250円 |
10年以上 | 200,670円 | 197,530円 | + 3,140円 |
まとめ
介護業界は、深刻な人手不足を解消するために給与を引き上げる事業所が増加傾向です。2025年問題を目の前にして、国もさまざまな対策を立てています。
給料面や待遇面の不安を解消するために「介護職員処遇改善加算」を創設して、実際に働きやすい環境の改善が行われ賃金もアップしています。
介護職は、再就職を目指す中・高齢者や時間に余裕のある主婦が手軽に資格を取って働きやすい仕事でもあります。
昔のイメージから介護職を考えるのではなく、「人に喜ばれる」「笑顔をもらえる」「人の役に立っている」といった充実感があります。人によっては、資格を取得したり、キャリアアップを目指したり、やりがいのある仕事ではないでしょうか。
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介護職におすすめの転職エージェントについては、別記事の「介護専門の転職エージェントおすすめランキング」をご覧ください。