介護職は給料が安い、低賃金と言われていますよね。介護の仕事自体は好きなんだけど、収入が少ないために介護関係の仕事をあきらめる人もいるのではないでしょうか…。
しかし、最近では政府による介護職員処遇改善や優秀な人材を確保するために賃上げをして囲い込みをする事業所も増え待遇も向上しつつあります。
でも、それまで待てないなー。すぐにでも給料を上げるには?
そんな方にも給料をアップする良い方法がありますよ!
基本は、介護職の経験がある方なら誰でも知っている「資格を取得する」ことです。さらに、「給料が高い職場に転職する」「キャリアップで給料を上げる」「Wワーク」「夜勤を増やす」ことによって、給料をアップすることができます。
では、介護職で給料を確実に上げるための『月収・年収を増やす5つの方法』をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてくださいね!
【給料アップの近道】月収・年収を増やす5つの方法
1. 介護の資格を取得する
介護職でも、介護福祉士取ってリーダー経験したらエリアマネージャーや施設長、管理職の求人はいくらでもありますし、それならば、そこらの会社の課長、部長ぐらいの年収は稼げます。
有料老人ホーム、役職付の介護福祉士、賞与3.0で年収500です。経験を積んで待遇のいい施設に転職するのがベストかと思います。
SNSで見かけたこのような口コミからもわかるように、介護職で給料をアップする基本は資格取得です。
介護職が初めての方にはわかりにくにのですが、介護職では、保有資格で給料(資格手当)が変わります。
1か月の平均給料(月給)
保有資格 | 平均給料 | 平均勤続年数 |
---|---|---|
無資格 | 196,432円 | 2.9年 |
介護職員初任者研修 | 212,120円 | 4.1年 |
介護福祉士 | 236,596円 | 6.0年 |
ケアマネジャー | 274,471円 | 7.6年 |
看護師・准看護師 | 286,138円 | 5.2年 |
注1)平均給料とは、1ヶ月分として実際に支給した税込み賃金額。(残業、休日出勤手当等を含む)
注2)平均勤続年数については、月給の者、日給の者及び時給の者を含む有資格者全体の勤続年数の平均である。
参考:平成29年度介護労働実態調査結果((財)介護労働安定センター)
無資格者との比較
保有資格 | 無資格者との賃金差 |
---|---|
介護職員初任者研修 | 月給 約 1.6万円プラス |
年収 約 20万円プラス | |
実務者研修 | 月給 約 2.7万円プラス |
年収 約 33万円プラス | |
介護福祉士 | 月給 約 4万円プラス |
年収 約 50万円プラス | |
ケアマネジャー | 月給 約 8万円プラス |
年収 約 90万円プラス | |
看護師・准看護師 | 月給 約 9万円プラス |
年収 約 108万円プラス |
※事業所によって資格手当は異なります。あくまでも目安としてご参考にしてください。
2. 給料の高い職場・施設、職種に転職する
介護職の給料・年収は、働く施設、事業所の規模、どのような法人、職種であるかによっても違いがあります。
こういう業界ってどこでも同じかと思ってましたが、施設によって全然違います。選ばなければ就職する事は絶対出来ますが、将来の事を考えるなら、条件等をしっかり吟味して選んだ方が良いでしょうね。
職場によって給料はピンキリです。「採用されれば良い」という考えではなく、最初からこだわりを持って探せば条件の良い案件は必ずあります。
定員の多い施設で働く
定員数の多い施設・事業所(規模の大きい)では、平均給与も上がる傾向にあります。
介護老人福祉施設(特養)では、30人以下の小規模施設の平均給与は312,730円、定員101人以上の施設になると336,780円になり24,050円の差があります。
(加算( I )を取得している事業所)
特養の定員数 | 平均給与 |
---|---|
30人 | 312,730円 |
31人〜50人 | 318,610円 |
51人〜80人 | 317,030円 |
81人〜100人 | 325,510円 |
101人以上 | 336,780円 |
全体平均 | 322,310円 |
※平成29年9月調査の平均給与額です。
上記の比較はあくまでも平均です。規模の大きい施設での人間関係が不安な方は、家族的な小規模な施設でも条件の良い案件はありますのでご安心を!
施設・事業所の運営法人の種別でも違う
下記の表は介護職員処遇改善加算( I )を取得(届出)している事業所における介護職員 (月給・常勤の者)の平均給与額です。
地方公共団体(地方自治体)が他の法人に比べても高くなっています。民間団体である営利法人に比べ社会福祉法人や医療法人も高いのがわかります。
この表はあくまでも平均です。有料老人ホームなどを運営する営利法人では高いところがあります。
平成29年 | 前年比 | 平均勤続年数 | |
---|---|---|---|
地方公共団体 | 322,890円 | 10,600円 | 10.6年 |
社会福祉協議会 | 280,950円 | + 1,470円 | 11.2年 |
社会福祉法人 | 311,660円 | + 13,660円 | 7.6年 |
医療法人 | 303,080円 | + 13,780円 | 7.8年 |
営利法人 | 273,860円 | + 15,100円 | 5.4年 |
その他 | 284,290円 | + 11,710円 | 7.1年 |
全体 | 297,450円 | + 13,660円 | 7.1年 |
※平均給与額は基本給(月給)に各種手当・一時金を含む総支給額
※平均勤続年数は平成29年9月までに勤続した年数
※厚生労働省 「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考
施設・サービス別によっても違う
特養は高い傾向にあります。基本給や賞与が高いので年収も高くなります。
重度訪問も高い傾向があります。正社員でなくても登録ヘルパーでも時給が高い傾向があります。
また、あたりまえですが日勤のデイサービスよりも、勤務時間が長く夜勤がある有料老人ホームなどの方が給料は高くなります。
下記の表は加算( I )~( V )を取得している事業所の介護職員のサービス種類別,勤務形態別の介護職員の平均給与額(月給の者)です。
平成29年 | 前年比 | 平均勤続年数 | ||
---|---|---|---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 常勤 | 321,580円 | + 13,590円 | 7.6年 |
非常勤 | 275,250円 | + 29,110円 | 8.4年 | |
介護老人保健施設(老健) | 常勤 | 312,200円 | + 12,960円 | 8.4年 |
非常勤 | 228,190円 | △ 4,620円 | 10.7年 | |
介護療養型医療施設(療養病床) | 常勤 | 279,780円 | + 8,410円 | 9.2年 |
非常勤 | 258,590円 | △ 5,850円 | 8.6年 | |
訪問介護事業所 | 常勤 | 286,170円 | + 13,110円 | 7.3年 |
非常勤 | 181,830円 | + 8,120円 | 6.8年 | |
通所介護事業所(デイサービス) | 常勤 | 258,920円 | + 10,860円 | 6.1年 |
非常勤 | 204,290円 | + 2,180円 | 5.5年 | |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 常勤 | 268,200円 | + 10,190円 | 6.3年 |
非常勤 | 240,390円 | + 37,160円 | 7.2年 |
※平均給与額は基本給(月給)に各種手当・一時金を含む総支給額
※平均勤続年数は平成29年9月までに勤続した年数
※厚生労働省 「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」を参考
介護職員処遇改善加算の要件を多く取得している職場
介護職は他職種に比べ「給料が安い」「待遇面が心配」といったマイナスイメージから、介護職を目指す人が少ないのと定着率が低いのが課題です。そこで、国は平成21年度から介護職員の処遇改善に取り組んでおり、平成24年度からは「介護職員処遇改善加算」といった制度を創設して介護職員として働いている方の賃金アップにつながる対策を行っています。
介護職員処遇改善加算とは、介護職員の安定的な処遇改善を図るための環境整備とともに、介護職員の賃金改善に充てることを目的に創設された制度です。申請のために必要な「キャリアパス要件」「職場環境等要件」を満たした基準によって、自治体から事業所に介護職員1人当たり月額3万7千円〜1万2千円が支給されます。
この資金を元に、事業所は職場の環境を働きやすい環境に整えたり、職員の給料アップをします。
基準をより多く満たした事業所がより多くの支給額を得ることができます。
厚生労働省が公開しているデータによると、介護職員処遇改善加算を取得した施設・事業所に勤務している介護職員の平均給与額は、平成28年9月から平成29年9月までの1年間で12,200円アップし、目に見える数字となってあらわれています。
介護職員処遇改善加算I〜Vを取得した施設・事業所に勤める介護職員の平均給与額の変化
介護職員の平均給与額(月給・常勤の者) | 平成29年9月 | 293,450円 |
平成28年9月 | 281,250円 |
※「平成29年度介護従業者処遇状況等調査結果のポイント」(厚生労働省)より抜粋
参考として見て欲しいのが下の表。介護職だけの数値では無いのですが、医療・福祉系全体の大学卒の初任給(男女計)は他の業界と遜色なく、増減率においては4.2%アップと高くなっています。
大学卒の初任給(千円) | 対前年増減率(%) | ||
---|---|---|---|
平成29年9月 | 平成28年9月 | ||
医療・福祉 | 204.9 | 196.7 | 4.2 |
宿泊業・飲食サービス業 | 194.5 | 191.7 | 1.5 |
運輸業・郵便業 | 195.0 | 192.8 | 1.1 |
製造業 | 203.2 | 202.0 | 0.6 |
金融業・保険業 | 205.4 | 202.7 | 1.3 |
教育・学習支援業 | 206.4 | 200.6 | 2.9 |
※「平成29年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:3 産業別にみた初任給」(厚生労働省)より抜粋
このように、「介護職員処遇改善加算」への取り組み度合いが高い職場も給料アップへの目安となります。ただし、このような情報は求人票だけではわかりません。転職エージェントを活用して事前に情報を得るようにしましょう。
※給料アップの対象職員、還元金額、支給方法は各事業所の方針に任されています。事業所ごとに違いがあります。※派遣社員やパートなどの非常勤も対象になりますが、介護職以外の職種(看護師・事務員・調理師など)には適用されません。
【キーワード】介護職員処遇改善加算」について詳しく
「介護職員処遇改善加算」制度とは、5つの区分(加算I〜V)ごとに要件(キャリアパス要件)を設定し、これを満たした介護事業社は職員の賃金改善のための加算ができる。キャリアパス要件には、労働環境の整備、研修等の積極的な実施、賃金アップに結びつくキャリアアップの仕組みなどがあり、事業者の取り組む度合いによって給料の上乗せ費用が自治体から支給される。取得した加算区分によって金額は変わるが、一人あたり最大37,000円相当が受け取れる。
正社員・常勤を目指す
雇用形態によっても月収・年収に差があります。契約社員、派遣社員・パートなどの非常勤から正社員、常勤パートになれば給料アップやボーナスも期待できます。
介護職員の平均月収・日給・時間給
正規職員の月給(平均賃金) | 非正規職員の日給(平均賃金) | 非正規職員の時間給(平均賃金) |
---|---|---|
211,464円 | 8,551円 | 956円 |
ボーナス
雇用形態別では「制度として賞与の仕組みがある」は、正規社員が 71.5%、非正規職員は38.2%と大きな開きがあります。また、「経営状況によって支払われることもある」は、正規職員で14.1%、非正規職員で 13.5%となっています。
雇用形態 | 賞与(平均額) |
---|---|
正規職員 | 593,438円 |
非正規職員 | 313,085円 |
※賞与平均額は賃金支払い形態が月給の者のみの平均額
参考:平成29年度介護労働実態調査結果((財)介護労働安定センター)
正社員、常勤パートの求人を探すには、転職エージェントの利用がおすすめです。
年齢などを理由に応募を諦めていた正社員の求人も見つかることがありますよ!
ハローワークなどの求人では、年齢制限をつけることは原則として禁止されています。何回応募しても採用されない方は、書類選考の時点で年齢で落とされている可能性があります。
転職エージェントに集まる非公開求人では、年齢制限を考慮して紹介してくれるので年齢で落とされるということはなくなります。
手当ての多い職場
基本給の他に付く手当ても給料を増やす上で重要です。
条件の決まっている家族手当、扶養手当、住宅手当、交通費以外に、頑張り次第で変わるのが賞与(ボーナス)、資格手当、夜勤手当、休日出勤手当など…。
施設・事業所によって付く手当ては違うので、確認しましょう。求人票だけでは、細かくわからない手当の詳細も転職エージェントでは教えてもらえます。
職場を変える、転職するには
特養3年目で年収380万です。 サービス残業なし、残業も基本なし。夜勤4回程度。
ハローワークの求人では、賞与年2回(前年度)と書かれているが実際出来てないところが多いよね。
職場を選べば働きやすく年収も、まずまずな所があります。職場選びはしっかり行わないと利用者と同僚、職場に心身ともに毟り取られますから気をつけて下さい。
介護職への転職で気になるのは、やはりお給料。事前にだいたいの相場を知っておきたいですよね。
このように、ネット上ではさまざまな口コミが見られますが実際はどうでしょうか?介護職への転職が初めての方は、相場もわからないので不安になりますよね。
転職を急ぐあまり、条件に妥協して転職するのは止めましょう。他の業界でも同じように、介護業界でも施設や事業所によって給料はぜんぜん違います。
転職エージェントのコンサルタントに相談すれば、地域での相場を教えてもらったり、希望に近い求人を探してもらうことが可能です。
どんなところでも、入ってみなければわからないというのが本当のところです。しかし、転職エージェントに相談しながら求人を探せば、あらかじめさまざまな情報を得ることができます。
もし、現状に満足していないのなら勇気を出して転職を考えてみてはどうでしょうか?
我慢して働き続ける必要はありません。
介護業界は売り手市場です。経験や資格があればどんどんキャリアアップを目指して挑戦できる業界です。
新しい職場での人間関係が不安ならば、転職エージェントを利用して職場の情報を教えてもらうのもひとつの手段です。
介護職で転職するのに困ったら転職エージェント・転職サイトがおすすめの理由
3.キャリアアップを目指す
フロアリーダー、サービス提供責任者、生活相談員、ケアマネジャー、管理者、施設長など職種や役職によっても月収・年収が変わります。
時間はかかりますが、介護職員から少しずつキャリアアップを目指して経験を積むことで確実な月収・年収アップに繋がります。
職種 | 月給(平均額) |
---|---|
介護職員 | 211,464円 |
訪問介護員 | 198,486円 |
サービス提供責任者 | 230,688円 |
生活相談員 | 244,062円 |
ケアマネジャー(介護支援専門員) | 255,521円 |
事業所管理者(施設長) | 356,679 円 |
※賞与平均額は賃金支払い形態が月給の者のみの平均額
参考:平成29年度介護労働実態調査結果((財)介護労働安定センター)
4.Wワークをする
介護職と介護職の掛け持ち、介護職と他職種との掛け持ちで月収・年収を上げている方も多くいます。
私(サイト管理人)の奥さんは、保険外交員の時に知人に誘われ夕方から週に2日〜3日、グループホームのパートとして働くようになりました。保険外交員をやめた後も、宅食のアルバイトをしながら有料老人ホームのパートとして働き、実務経験3年以上の資格用件を満たし介護福祉士の国家試験を受験、介護福祉士を取得しました。
老健の正社員として働きながら、休日や非番を利用して他の有料老人ホームで夜勤のアルバイト。事務職や営業職として他の仕事を本職としながら、仕事が終わってからや休日に介護福祉施設のパートとして働いている方もいます。
介護業界では慢性的な人手不足のため、Wワークを歓迎している求人も多くあります。その反面で、正社員のWワークを禁止している介護福祉施設もありますので確認しましょう。
Wワークでは働く時間が増えるので身体への負担も大きくなります。収入を増やすことばかりにこだわりすぎて、身体を壊しては元も子もありません。体調管理に気をつけて、無理なシフトはやめましょう!
5. 夜勤の回数を増やす、夜勤専従で働く
夜勤手当の支給額は高額なので、回数が増えればグンと給料も上がります。
あまりおすすめできませんが、夜勤専従という働き方もあります。少ない勤務日数で日勤の人の半分ぐらいで同じ給料になる場合もあります。
いずれにしても夜勤は体への負担が大きいので、無理をしないペースで考えましょう。体を壊したら元も子もないですからね!
まとめ
介護職で給料を確実に上げるための『月収・年収を増やす5つの方法』をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
「資格取得」は給料アップの基本ですが、介護業界で多いのがWワーク。結構これで収入アップに繋げている方も多いのでは?子育てが終わり、時間に余裕のある人がWワークで稼いでいます。
「給料の高い介護福祉施設に転職する」のは、もっとも有効な手段です。
給料が安すぎる、長時間労働で休みがない、人間関係が劣悪、雰囲気が悪いなどの不満や悩みを我慢して働き続けることはありません。
介護業界は慢性的な人材不足です。優秀な人材を確保するために、経営環境の良い事業所はより良い待遇・環境の改善で人材の囲い込みをしています。
介護職で給料アップを目指すには、短期的にはWワーク、夜勤、長期的には転職、資格取得、キャリアップが月収・年収を増やすことにつながります。