介護福祉士

介護福祉士国家試験の合格率は?過去の試験の合格基準点も紹介

介護福祉士国家試験

介護福祉士国家試験の過去5年間(第31回〜第35回)の合格率は69.9%〜84.3%で推移していて、他の介護·福祉系の資格と比べても合格率の高い試験となっています。

第35回では過去最高の84.3%となり、国家試験を実施して以降初めて80%の大台に到達しました。

過去5年間(第31回〜第35回)の筆記試験の合格ライン(合格基準点)は72点〜78点のあいだで推移しています。

ここでは、介護福祉士国家試験の合格率、都道府県別の合格者数、職種別合格者数、合格基準点などについて詳しくご紹介します。

介護福祉士国家試験の合格率・受験数・合格者数

第36回(令和4年度)介護福祉士国家試験結果

第36回介護福祉士国家試験が令和6年1月28日(日)に実施されました。公益財団法人社会福祉振興・試験センターは1月30日に速報値として受験者数を明らかにしました。

昨年第35回の受験者数は6年ぶりに7万人台に減少し79,151人でしたが、今年度の第36回はさらに4,556人の減少になり、2年連続で受験者数の減少という結果になりました。

  • 受験者数 74,595人
  • 合格者数 
  • 合格率  

情報元:福祉新聞

試験概要
  • 筆記試験   令和6年1月28日(日)
  • 実技試験   令和5年3月6日(日)
  • 試験地    筆記試験 35都道府県 実技試験 2都府
  • 合格発表日  令和6年3月25日(月)14時

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験結果

第35回(令和4年度)介護福祉士国家試験の合格率は84.3%、66,711人が合格しました。

合格率は昨年度の第34回(令和3年度)の72.3%から大幅に上昇し(12.0ポイントアップ)、過去最高の80%台に到達しました。

受験資格別の合格率は「福祉系高等学校」が92.6.%(2,407人)ともっとも高く、次いで「訪問介護員等」の87.2%(8,577人)、「社会福祉施設の介護職員等」の85.1%(41,411人)となりました。(※その他(89.5%)は受験者数が51人と少ないので除いています。)

合格者の割合では、「社会福祉施設の介護職員等」がもっとも多く62.1.%(41,411人)、次に「訪問介護員等」の12.9%(8,577人)となっています。

受験者数は6年ぶりに7万人台に低下の79,151人となり前回に比べ3,931人の減少、合格者数は66,711人と前回に比べ6,612人の大幅増加になりました。

  • 受験者数 79,151人
  • 合格者数 66,711人
  • 合格率  84.3%
試験概要
  • 筆記試験   令和5年1月29日(日)
  • 実技試験   令和5年3月5日(日)
  • 試験地    筆記試験 34都道府県 実技試験 2都府
  • 合格発表日  令和5年3月24日(金)14時

参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

これまでの介護福祉士国家試験の合格率

第34回(令和3年度)では前年度より1.3ポイント上がり72.3%となりましたが、第35回(令和4年度)の合格率は前年度よりさらに12.0ポイント上がり過去最高の84.3%となりました。

実地回受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
第36回
第35回79,15166,17184.3
第34回83,08260,09972.3
第33回84,48359,97571.0
第32回84,03258,74569.9
第31回94,61069,73673.7
第30回92,65465,57470.8
第29回76,32355,03172.1
第28回152,57388,30057.9
第27回153,80893,76061.0
第26回154,39099,68964.6
第25回136,37587,79764.4
第24回137,96188,19063.9
第23回154,22374,43248.2
第22回153,81177,25150.2
第21回130,83067,99352.0
第20回142,76573,30251.3

介護福祉士国家試験合格ラインの予想

筆記試験の合格基準

通常の合格ラインは60%程度(75点)ですが、その年の問題の難易度で補正されるので、その都度、若干変動します。

さらに、試験科目11科目群すべてにおいて得点が必要です。一部の科目の総得点で60%以上得点していてもダメということです。

以下の2つの条件を満たした者が筆記試験の合格者となります。

  • 総得点(125点)の60%程度以上(問題の難易度で補正した点数以上)
  • 試験科目「11科目群」すべてにおいて得点すること

試験科目

  1. 人間の尊厳と自立、介護の基本
  2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  3. 社会の理解
  4. 生活支援技術
  5. 介護過程
  6. 発達と老化の理解
  7. 認知症の理解
  8. 障害の理解
  9. こころとからだのしくみ
  10. 医療的ケア
  11. 総合問題

(注意)配点は、1問1点の125点満点である。

※全125問、1問1点です。
※毎年総得点の60%程度を基準として、その年の問題の難易度で補正されます。

筆記試験の概要についてはこちら

実技試験の合格基準

  • 総得点(100点)の60%程度を基準として、その年の問題の難易度で補正されます。

実技試験概要・合格通知についてはこちら

実地回筆記試験実技試験
第36回
(令和5年度)
第35回
(令和4年度)
75点53.33点
第34回
(令和3年度)
78点53.33点
第33回
(令和2年度)
75点53.33点
第32回
(令和元年度)
77点46.67点
第31回
(平成30年度)
72点46.67点
第30回
(平成29年度)
77点60.00点
第29回
(平成28年度)
75点53.33点
第28回
(平成27年度)
71点46.67点
第27回
(平成26年度)
68点46.67点
第26回
(平成25年度)
68点46.67点
第25回
(平成24年度)
69点53.33点

介護福祉士国家試験の合格者の内訳

合格者の男女別比率

第35回の介護福祉士国家試験の合格者の男女比率は男性の比率は昨年と同じ、女性が約7割、男性が約3割弱となっています。

実地回男(合格者数割合)女(合格者数割合)合計
第35回19,955人(29.0%)46,756人(70.1%)66,711人
第34回17,477人(29.0%)42,652人(71.0%)60,099人
第33回18,366 人(30.6%)41,609 人(69.4%)59,975 人
第32回17,514 人(29.8%)41,231 人(70.2%)58,745 人
第31回20,673 人(29.6%)49,063 人(70.4%)69,736 人
第30回19,906 人(30.4%)45,668 人(69.6%)65,574 人
第29回16,244 人(29.5%)38,787 人(70.5 %)55,031 人
第28回24,869 人(28.2 %)63,431 人(71.8 %)88,300 人
第27回24,466 人(26.1 %)69,294 人(73.9 %)93,760 人

合格者の受験資格別の合格率・割合

第35回 介護福祉士国家試験 合格者の受験資格別割合

第35回の介護福祉士国家試験の合格者の受験資格別の割合では、社会福祉施設の介護職員がもっとも多く、受験者数は48,690人、合格者数は41,411人、合格率は85.1%、割合は62.1%となっています。

次に介護職員初任者研修・旧ヘルパー2級などを取得している訪問介護員の割合が12.9%となっています。

福祉系高等学校の割合は3.6と少ないものの、受験した2,598人のうち2,407人が合格、92.6%と高い合格率になっています。

区分受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)割合(%)
総数79,15166,71184.3100.0
介護福祉士養成施設7,7845,88875.68.8
老人福祉施設の介護職員等42,41235,67984.153.5
障害者福祉施設の介護職員等5,6465,16691.57.7
保護施設・児童福祉施設の介護職員等55750089.80.7
その他の社会福祉施設の介護職員等756688.00.1
社会福祉施設の介護職員等の合計(注1)48,69041,41185.162.1
訪問介護員9,8378,57787.212.9
介護老人保健施設の介護職員等5,1394,12680.36.2
医療機関の看護補助者5,0464,25184.26.4
福祉系高等学校(専攻科を含む)2,5982,40792.63.6
 その他(注2)575189.50.1

(注1)社会福祉施設の介護職員等の合計は老人福祉施設・障害者福祉施設・保護施設・児童福祉施設・その他の社会福祉施設の介護職員等の合計です。
(注2)「その他」は、介護等の便宜を供与する事業を行う者に使用される者のうち、その主たる業務が介護等の業務である者等である。

「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により、平成29年度(第30回)から、養成施設ルートが介護福祉士国家試験の受験資格となりました。

なお、養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができます。

この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。

令和9年度以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。

引用:公益財団法人社会福祉振興・試験センター

合格者の年代別の割合

第35回の介護福祉士国家試験の合格者の年齢別の割合では、21歳から30歳までの割合がもっとも高く、次に41歳から50歳までの方の割合が高くなっています。

前年からもっとも変化があったのは21歳から30歳までの割合がもっとも高くなったこと、少し変化があったのは~20台の割合が若干減少、21〜30台、51 ~60台、61台〜の割合が若干増加しているところです。

介護職は年齢が高くなっても働くことができる職種なので、給料に直結する介護福祉士の資格を年齢に関係なく取っておきたい意思の現れとも考えられます。

全体的には、子育てなどが一段落して、再就職・パート先として介護職に就いている方が多い印象です。

年齢区分(歳)実地回合格者数(人)割合(%)
~20第35回5,0017.5
第34回4,6787.8
第33回4,6717.8
 第32回4,7978.2
 第31回5,0787.3
 第30回5,4818.4
 第29回2,4775.0
 第28回2,6553.0
 第27回2,6782.9
21 ~30第35回16,93425.4
第34回14,64924.4
第33回15,37925,7
 第32回14,65324.9
 第31回17,33624.9
 第30回16,75325.4
 第29回13,18724.0
 第28回20,04222.7
 第27回20,86522.3
31 ~40第35回12,92019.4
第34回11,81019.7
第33回12,16120.3
 第32回12,04320.5
 第31回14,27420.5
 第30回13,67920.9
 第29回12,39322.5
 第28回21,39524.2
 第27回23,27524.8
41 ~50第35回16,87725.3
第34回16,00326.6
第33回15,37526.2
 第32回15,79726.9
 第31回19,25327.5
 第30回18,21727.8
 第29回16,28529.6
 第28回26,82630.4
 第27回28,56930.5
51 ~60第35回12,19718.3
第34回10,72417.8
第33回9,90616.5
 第32回9,52216.2
 第31回11,47616.5
 第30回9,69314.8
 第29回8,90316.2
 第28回14,61616.6
 第27回15,50116.5
61 ~第35回2,7824.2
第34回2,2353.7
第33回2,1233.5
 第32回1,9333.3
 第31回2,3193.3
 第30回1,7512.7
 第29回1,5162.8
 第28回2,7663.1
 第27回2,8723.0

合格者の都道府県別の割合

第35回の介護福祉士国家試験の合格者数は、大阪府が5,775人ともっとも多く、2番目に東京都の5,307人、3番目に神奈川県の4,668人となっています。

1番目〜3番目は第34回と同様の結果になり、第35回の合格者数の総数は66,711人となりました。

都道府県名第35回(人)第34回(人)第33回(人)第32回(人)第31回(人)第30回(人)第29回(人)
1 北海道3,1582,7682,9432,9673,3673,3412,809
2 青森県696730761775963894689
3 岩手県647632623625742619513
4 宮城県1,2011,1691,0889611,2261,061921
5 秋田県609520568601770698613
6 山形県580554501533681617486
7 福島県9478658078381,035972774
8 茨城県1,3471,1669671,0681,2791,164872
9 栃木県833796665788877803618
10 群馬県1,0049919138431,1261,041782
11 埼玉県3,8613,3633,3153,0093,6263,2782,939
12 千葉県3,1092,7092,7302,6453,0172,7612,337
13 東京都5,307 4,691 4,864 4,5485,2335,0264,382
14 神奈川県4,6684,2864,278 3,9314,7144,3883,948
15 新潟県1,1431,0779741.0961,2321,2451,033
16 富山県475502445465576578448
17 石川県607548530492606640508
18 福井県425395356434447457320
19 山梨県465352315361450418283
20 長野県1,0591,0268121,0061,2111,2161,002
21 岐阜県1,0249829329791,100995782
22 静岡県1,8831,7281,6461,6442,0781,9021,696
23 愛知県3,4083,1093,1363,0073,5253,3702,854
24 三重県9538177778131,050941713
25 滋賀県681696648712772791571
26 京都府1,4551,3531,4241,3701,6571,6031,372
27 大阪府5,7754,962 5,305 4,8095,7635,0704,357
28 兵庫県3,4583,2293,2032,9103,3473,1672,615
29 奈良県892771735682863756565
30 和歌山県605526586539658587455
31 鳥取県240211263293401392383
32 島根県344361326380464476390
33 岡山県1,1391,0081,0791.0491,2401,256958
34 広島県1.4501,3481,3311,2921,5871,5511,248
35 山口県696586588698791680673
36 徳島県469392365462488404376
37 香川県497392464439507498364
38 愛媛県832733751765857884594
39 高知県330348380371477437375
40 福岡県2,5252,2832,3142,2902,6912,5302,190
41 佐賀県485422373338468440382
42 長崎県9107678378191,0381,001837
43 熊本県1,0158999019771,1011,089912
44 大分県716685708683789817694
45 宮崎県708604636666828758649
46 鹿児島県1,1341,0451,0229881,1021,1291,005
47 沖縄県945702791784915832742
その他1000112
総 計66.71160,09959,97558,74569,73665,57455,031
(注)合格者の受験時の住所による。その他は、外国に住所を有する者である。

介護福祉士登録者

1,874,926 人(令和5年2月末現在)となっています。

まとめ

第35回の介護福祉士国家試験の合格率は84.3%と過去最高になりました。前年(第34回)の72.3%からさらに12ポイント高くなり、今までの最高の第31回の73.7%を大幅に超える合格率になりました。

合格者数は6,612人の大幅増加になりましたが、受験者数は2年連続で減少し、34回の昨年度に比べ3,931人減少しています。

年齢別では、〜20歳の合格者の割合は若干の減少、21歳〜30歳は微増、31歳〜40歳は微減、41歳〜50歳は若干の減少、51歳〜60歳は増加、61歳〜も増加となっていて、51歳以上の年代で増加傾向がみられました。

介護職では、国家資格である介護福祉士の資格を取得することで待遇や仕事の幅が大きく変わります。また、年齢が高くなっても働き続けることができる職場です。

このようなことから、資格取得の重要性を感じている実務経験の長い介護職員が高いモチベーションで国家試験に挑んだ結果だと思われます。

あわせて読みたい

保険外交員だった妻(以下、彼女)が50歳から転職して、宅食のアルバイトをしながら掛け持ちで介護施設で働き、4年近くかけて介護福祉士の資格を取得しました。現在は常勤パートのサービス提供責任者として頑張っています。 転職から介護福祉士の資格を取得するまでの流れ、必要な実務経験、勉強の仕方、試験の様子など…

介護福祉士登録証
【介護転職】50歳から転職して介護福祉士になった話

保険外交員だった奥さん(以下、彼女)が50歳から転職して、宅食のアルバイトをしながら掛け持ちで介護施設で働き、4年近くかけて介護福祉士の資格を取得しました。 現在は訪問介護事業所で正社員となりサービス ...

介護福祉士 受験対策講座
介護福祉士国家試験受験対策講座の費用を徹底比較

実務者研修も修了し、実務経験も順調、後は筆記試験の勉強だけ…。 でも何から始めたらいいのかわからない、どんな問題集を揃えたらいいのかわからない… 😐 問題集は揃えたけどはかどらない、時間がないので ...

続きを見る

介護福祉士 国家試験
参考介護福祉士試験を確実に合格するには受験対策が重要

介護福祉士国家試験の受験申込書の受付(提出)期間は例年8月上旬から9月上旬まで。受験申し込み期間が始まると、年明け1月末の筆記試験まで5ヶ月ちょっと。そろそろ試験の準備をはじめたいころです。 確実に合 ...

続きを見る

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
ケアワーカーナビ

LITTLE SMILES

奥さん(監修者)が現役の介護福祉士・サービス提供責任者のLITTLE SMILES(管理者)です。現場の生の情報をもとに、介護の資格と介護転職に役立つ情報を発信していきます!

よく読まれる記事

実務者研修の講師の女性 1

実務者研修は「介護福祉士の受験資格」ということもあって取りたいのはやまやまだけど、「受講費は高いし、働いているからスクールに通う時間もない」といったことで諦めている方も多いのではないでしょうか? 東京 ...

自宅で実務者研修の学習をする女性 2

実務者研修は「介護福祉士の受験資格」ということもあって取りたいのはやまやまだけど、「受講費は高いし、働いているからスクールに通う時間もない」といったことで諦めている方も多いのではないでしょうか? 大阪 ...

初任者研修を受講している女性 3

初任者研修の受講費用は名古屋市内でもスクールによって異なります。最も安いところで3万円〜から、平均的には5万円~7万円程度、高いところで12万円〜とスクールによって違いがあります。 ここでは、名古屋市 ...

介護専門転職エージェントの女性スタッフ 4

介護職への転職が初めての方にとっては、どこの施設が自分にあっているかわからないですよね… 介護士として働いていて職場を変えたいと思っている方も、同じ失敗を繰り返さないためにもできるだけ多くの情報が必要 ...

介護職に強い!おすすめの介護派遣会社ランキング【8社比較】 5

といった方におすすめなのが、介護士専門の派遣会社。 まずは派遣で働いてみて、介護職って面白そう、自分に合っている仕事、続けることができそう…と思ってから正社員を目指しても遅くありません。 介護職では、 ...

-介護福祉士