特養、老健、有料老人ホームなどの介護施設での求人では、夜勤専従という働き方があります。
夜勤専従とは、日勤なしの夜勤のみの勤務形態です。
「少ない勤務日数で稼ぎたい!」「昼間は家庭優先にしたいので、夜働くことができる仕事」「人と関わるのが苦手なので、少人数で働きたい!」「高時給のWワークがしたい」…といった方に人気がある働き方です。
ここでは、介護職で夜勤専従の方がいいという人の理由、仕事内容・給料についてまとめてみました。
介護職では夜勤専従の方がいいという人の理由
夜勤専従の方がいいという人の理由には、給料面と働き方、いわば自分の求める生活スタイルがあります。
一番の理由は、日給で給与設定が高いからです。
そのほかには……
- チームプレイが好きでない人
1人で黙々と仕事をこなしたい、人とあまり関わりたくない。 - 少人数で働きたい
人間関係が煩わしい、できれば1人で働きたい。
夜勤は少人数なので人間関係が楽だったりします。 - 毎日出勤しなくていい
- 夜勤前や夜勤明けに自由な時間を楽しめる
- 会社のイベント(飲み会・慰安旅行…)などにも参加しなくていい
- 仕事内容が限定されていて、昼間に比べて楽な側面がある
- 施設のイベント(お花見、七夕、クリスマス会、新年会…)などに参加しなくていい
- 利用さんとの深い関わりが苦手
基本的に利用者さんは寝ている時間が多いので、関わりが少ない。 - 本業を持っている方の副業としてのWワークが可能
毎日出勤しなくていいので、シフト次第で本業との掛け持ちが可能。
月に2〜3日程度できる日だけでもいい事業所もあります。
……など、さまざまなメリットがあります。
夜勤専従の給料はどのくらい?
夜勤専従の日給の相場は2万円前後になっていて、日勤だけの人よりも給料が高いのが普通です。
事業所にもよりますが、日勤の人が月に20日から25日働くとして、夜勤専従の人は12日から13日ぐらいの少ない勤務日数で同じぐらいになります。なかには月に25万円〜30万円ぐらいもらえる事業所もあります。
例えば、ヘルパーや初任者研修の有資格者であれば1勤務あたり約2万円~、介護福祉士であれば1勤務あたり約2万5千円~などの給与設定で募集されています。
高いところでは、1勤務あたり最大3万円以上~という給与を提示している派遣会社もあります。
日給なので、シフトに入れば入っただけ給料が増えるので頑張りがいがありますよね!
以下は、夜勤専従で給料が上がり良かった方の口コミです。
田舎に消耗してる介護士は都会で派遣したほうが、スキルも上がるし、給料が上がり自由度も上がるからオススメ。
それに加えて夜勤専従なら賃金アップして自由時間が増えるよ
— たんたん@介護士ブロガー (@tantan4423)
介護、夜勤専従、とても、給料いい、、、
月40万、、、— もえびもの (@ruby_uchida)
給料が高くなり夜勤専従に満足している様子がわかります。
Wワークも可能
夜勤専従は、以前取得した介護資格を活かして復職・アルバイトしたい方にもおすすめの働き方。
普段は別の仕事をしながら、休みの日には夜勤のアルバイトといったWワークをしている方も多くいます。ダブルワーク大歓迎といった求人も多く見られます。
- 例えば、A子さんは普段は事務のパートをしています。
土日プラス週に1日休日があるので、金曜日、土曜日の夜に夜勤専従でアルバイトをしています。
以前、介護の仕事をしていて介護福祉士の資格を持っています。
子育てを終わって事務のパートをしながら、子供の学費を稼ぐために休日に夜勤専従のアルバイトで復職しました。 - B子さんは、普段は週に2〜3日デイサービスでパートをしながら、休日に月に3〜4回程度、夜勤専従のパートとして他の介護施設で働いています。
Wワークでは、無理のないシフトを組んでもらうことが長く働くことができるコツです。
やはり夜勤は体力的にキツイので、無理をして体を壊しては元も子もなくなります。
※正社員として働いている方のWワークを禁止している事業所もありますので注意しましょう。
デメリットは?
ここまでは、夜勤専従のメリットを書いてきましたがデメリットもありますのでご紹介します。
アルバイト・パートや派遣での雇用形態が多い
給与設定が1勤務○○,○○○円 /日給となっている求人が多く、雇用形態はほとんどの事業所の募集がアルバイト・パート、派遣での雇用になっています。
有給や社会保険などの待遇・福利厚生は、正社員と同じようにパート・アルバイトでの雇用でもある事業所もあれば、ない事業所もあります。わからなければ、問い合わせして最初に確認しましょう。
派遣雇用では、ほとんどの派遣元の会社において社会保険などの福利厚生があります。
また派遣での雇用では、派遣先の施設・事業所との契約が満了したら違う職場に異動することになります。せっかく慣れてきたところでの異動もあります。
ただ、人間関係が煩わしい方にとってはいい場合もあります。
介護職の派遣で働くメリット・デメリットについては、別記事の「介護職の派遣って大丈夫?派遣で働くメリットとデメリット」をご覧ください。
体調管理が難しい
一般的には寝ている時間帯なので、体への負担は大きいといえます。ただ、夜勤専従のみで月のシフトを組んでいる方は、「朝帰ったら寝る」「昼過ぎまで寝る」など一定の生活リズムができていれば意外と楽という方も多くいます。
気をつけなくてはいけないのは、Wワークで週の内1日〜2日を夜勤で、他の日は昼間働いているような不規則な生活スタイルです。
例として、普段は早出・日勤・遅出・夜勤がある介護施設で働いていて、休日だけ他の介護施設で夜勤専従で働いてる方もいます。このような変速的な働き方は絶対に体に無理がきます。
夜勤専従を長く続けるには、一定の生活リズムを保ったシフトにしましょう。
夜勤専従の仕事内容は?
日勤に比べ、比較的仕事内容が限定されていて楽な側面もあります。
責任感は日勤も夜勤専従も同じです。
夜間の職員の人数は小規模な施設では1人〜、大規模な施設でも2、3人〜(ワンフロアあたり)となっています。
※事業所によって、仕事内容、夜勤職員の人数に違いがあります。
具体的な仕事内容
- 夕食の配膳、介助(早い時間からの勤務時間の事業所のみ)
- 就寝時の介助
就寝のお手伝いをした後は、寝ている利用者さんの様子を見守ることが一番の仕事です。
- 見守り(2時間に1回など、定期的に巡回します)
- トイレのお手伝い
- パット(オムツ)交換(4時間に1回ぐらい)
- 起床のお手伝い
起きてからは……
- 朝食の配膳、介助、口腔ケア、着替えなど
- 掃除、記録など
日勤の人が出社してきたら、受け渡しをして終了。
帰宅します。
勤務時間は?
夕方の16時30分〜17時から朝の9時(16〜17時間勤務)まで、夜21時から朝の9時(12時間勤務)までなど、事業所によってさまざまです。
2時間程度の休憩時間や仮眠もあります。
最近では、「8時間勤務の夜勤」の夜勤専従の求人も増えています。
夜勤専従で必要な資格は?
夜勤専従では無資格・未経験でも働くことができます。
しかし、無資格・未経験でも働くことができるといっても、やはり不安です。
デイサービスや特養などで経験を積んでから夜勤専従に変わるか、事前に研修制度のある職場を探した方がいいと思います。
無資格、未経験の人を採用する事業所では、日勤で研修をしてから夜勤専従に移行したり、ベテランの宿直スタッフと一緒の2人体制などとなっていますので安心して働くことができます。
ただ、実際にはできるだけ有資格者・経験者がいいのが本音です。
小規模な有料老人ホームなどでは夜勤1人体制の施設も多いので、研修や指導が必要のない即戦力を求めているからです。
有資格者、経験者が優遇されますので復職としてもいい働き方です。
夜勤専従にオススメの施設・事業所は?
仕事として楽な施設は
有料老人ホームなどの比較的に要介護度の低い利用者さんが多い施設が仕事量は少なめです。利用者さんが少ない小規模の施設も比例して仕事量は少なめです。
夜勤での責任が心配な方は
老人保健施設(老健)のように看護師さんが夜勤にも常駐している施設が安心です。いざといった時の看護師さんの存在感は絶大です。
人間関係が煩わしい方には
利用者さんの少ない小規模の施設では、夜間はほとんど1人体制といった事業所もあります。ただし、一人なので経験豊富な方でないと採用は難しいといえます。
介護施設の種類については、別記事の「介護福祉施設の種類とサービスの特徴」でも詳しく解説しています。
夜勤専従の求人を探すには
介護職で夜勤専従の求人を探すには、介護専門の求人サイト、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
「どこがいいかわからない?」「自分でもできるのか?」「いい条件のところが見つからない」など…このような悩みにも転職エージェントには無料で相談できます。
また、転職エージェントに登録しておけば無料で希望の求人を紹介してくれるので他の仕事をしながら忙しい方でも、いい求人に出会う確率が高くなりますよ!
スマホやパソコンから簡単に登録できますので、ぜひ使いたいサービスです。
転職エージェントを利用しないで求人を探すデメリット
求人広告やハローワークでは、自分で応募するのですべて自分の判断になります。
「実際には年齢制限があったり、資格保有者を優先したりで不採用ばかり……。」
「十分な指導がなく、1人でいきなり任せられたり……。」
「休憩や仮眠を十分に取ることができなかったり……。」
「シフトが違ったり、条件が違ったり……。」
このような、面接で聞いたことと違うといったことが多々あります。
転職エージェントを利用するメリット
「介護施設では、マニュアルがしっかりした職場が働きやすいので、マニュアルがしっかりしているかどうか?」「夜勤の実際のスタッフの人数、保有資格は?」……
特にスタッフの人数は人間関係がわずらわしい方にとっては、聞きたい情報です。
このような内部情報も転職エージェントでは教えてくれます。
派遣を希望すれば、契約通り働くことができるので入ってから違うといったこともありません。
実際の求人例
介護付有料老人ホーム
夜勤専属介護スタッフ
16:00〜翌10:00(休憩有)
※週1日〜OK
日給2万5000円〜
資格:ヘルパー2級以上
特別養護老人ホーム
夜勤専従パート
夜勤 17:00~翌10:00(休憩120分、実働15時間)
夜勤1回2万4000円以上
老人保健施設
パート職員
勤務時間・シフト
月4~8回程度
17:00〜翌9:00(実働8時間以上/休憩120分)
1勤務 2万7000円/日給
資格:介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)以上の介護の資格をお持ちの方
◎介護福祉士優遇