ケアマネと打ち合わせする高齢者夫婦の画像

ケアマネジャー

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?主な仕事内容は?

介護の現場でケアマネってよく聞くけど・・・

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険制度においてケアマネジメントを実施する公的資格。介護の現場では、ケアマネ(通称)といった呼び方が一般的です。

要支援・要介護認定者およびその家族からの相談を受け、利用者の心身の状況や置かれている環境に応じた介護サービスを利用するためのケアプラン(介護サービス計画)を作成し、そのプランに基づいて適切なサービスが提供されるよう、介護サービス事業者や関係機関との連絡・調整を行います

ここでは、ケアマネジャーとはどんな役割、なるにはどうしたらいい?、主な仕事内容について詳しく解説していきます。

ケアマネジャーとはどんな役割

ケアマネジャーは、要介護を必要とする利用者の方と「介護保険制度」を結びつける大切な役割を担っています。

国家資格ではなく認定資格ですが、介護福祉士(国家資格)の上級資格となります。

正式名称は「介護支援専門員」といって、2000年(平成12年4月)に「介護保険制度」が導入された際に誕生した資格です。

ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行い、介護サービスを必要とする方が介護保険制度を利用して自立した生活を送れるようにサポートします。

ケアマネジャーになるには

ケアマネジャーになるには、各都道府県が管轄・実地する「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格後、実務研修を修了し、各都道府県の介護支援専門員名簿に登録を行い、介護支援専門員証の交付を受けることが必要です。

介護支援専門員実務研修受講試験は例年10月上旬に行われます。

ケアマネ試験の受験資格については、別記事の「ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の受験資格」をご覧ください。

令和6年度(第27回)介護支援専門員実務研修受講試験について

試験概要
  • 試験日令和6年(2024年)10月13日(日)
  • 試験開始:午前10:00開始(午前9時30分着席)〜12:00まで
  • 合格発表日:令和6年(2024年)11月25日(月曜日)
    • 受験者全員に合否結果通知書が郵送で発送されます。
    • 各都道府県の試験センターのホームページなどに合格者の受験番号が掲載されます。
      ※各自治体によって掲載時間が異なります。
受験申し込み
  • 受験申込書の配布期間:各都道府県によって異なります。
  • 受験申込書の配布場所:各都道府県によって異なります。
  • 受験申込期間:各都道府県によって異なります。
  • 受験手数料:各都道府県によって異なります。
  • 試験会場:各都道府県によって異なります。

ケアマネ試験の受験申し込み方法ついては、別記事の「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の受験申し込み方法」をご覧ください。

試験実施方法
  • 出題方法:出題は五肢複択方式。解答はマークシート方式
  • 試験時間:午前10時00分から12時00分まで(120分)
    • ※点字受験者1.5倍、弱視等受験者1.3倍
  • 出題数:60問(介護支援分野25問、保健医療福祉サービス分野35問)

ケアマネ試験は難しい?

合格率はここ数年20%台前後と、5人に1人合格の狭き門です。実務経験をこなしながら、独学で勉強して合格するのは大変なことです。

ケアマネジャー受験対策講座を受講して効率的に学習することが一発合格への近道です。

ケアマネ試験の受験対策講座については、別記事の「【ケアマネ試験】介護支援専門員実務研修受講試験におすすめの受験対策講座は?」をご覧ください。

ケアマネ試験の合格率については、介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験の合格率をご覧ください。

試験が終わったら…

ケアマネ試験の解答速報を無料で見れるサイトまとめで解答速報で試験結果を確認しましょう!

ケアマネジャーの主な仕事内容は?

仕事内容は、介護保険法に基づき、要介護者や要支援者、その家族などからの相談(相談支援)に応じて、適切な介護サービスを提供するためのケアプランの作成、サービス事業者などとの連絡調整、介護保険料の給付管理など多岐にわたります。

「介護が必要な人のために、どういった介護サービスを提供したらいいか」といったケアプランの立案など、ケアマネしかできない仕事も多く、責任感がモチベーションややりがいに繋がります。

  1. 相談支援
  2. ケアプランの作成
  3. 要介護認定の申請代行
  4. モニタリング(経過観察)
  5. サービス担当者会議の運営
  6. 介護保険の給付管理
  7. 介護サービス事業者、病院などとの連絡調整

1.要介護者本人とその家族との介護相談(ケアアセスメント)

「要介護認定」を受けた、ご本人・ご家族、市町村の介護保険課、地域包括支援センターなどからの依頼により、適切な介護保険サービスが受けれるように支援します。

依頼を受けたケアマネジャーは介護保険サービス利用者、家族と確認・話し合いを行います。

要望、悩みを聞きながら何ができて何ができていないか、その原因は何か、把握することが重要です。

  • 現在の生活状況・生活環境
  • どのような介護を望んでいるか
  • 困っていることは何か
  • これからどのように暮らしていきたいのか
  • 家族はどのように関わることができるのか
  • 近所との関わりは…など

ケアアセスメントの方式については、ケアマネジャー(介護支援専門員)の個人的な考え方や手法のみによって行われてはならない。

23項目の「課題分析標準項目」に基づいて行われます。

これらの介護相談に基づいて、ケアプランの作成に取りかかります。

2.介護サービス計画書(ケアプラン)の作成

ケアマネジャーの仕事の中で最も重要な仕事になります。

ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。

利用者のニーズや介護支援の必要状況、生活環境などを考慮し、必要なサービスを組み合わせたて最適なケアプランを作成します。

ケアプランに基づいた介護サービスを提供するためには、実際に支援を行う介護サービス事業所を選定し、サービスを利用できるようにします。

その際には利用者の意向を尊重して、事業者と連絡調整を行います。

介護保険法では、養介護度に応じて、1ヵ月に利用できるサービスの上限額が決まっているので、その範囲の中で最も適切なサービスを組み合わせて作成することになります。

ケアマネジャーは「要介護1」以上の利用者の方のケアプランを作成します。

※「要支援1」「要支援2」と認定された方は地域包括支援センターに作成を依頼します。

要介護1~5と認定された方

「要介護1」以上の介護サービス計画書は介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、県知事の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。

  • 在宅のサービスを利用する場合→居宅介護支援事業者(介護支援専門員)に介護サービス計画(ケアプラン)を作成してもらいます。
  • 施設のサービスを利用する場合→施設の介護支援専門員がケアプランを作成。
要支援1~2と認定された方

ケアプランは、地域包括支援センターに作成を依頼することができます。
※地域包括支援センターはお住まいの市町村が実施主体となっています。

3.要介護認定の申請のお手伝い

介護保険サービスを利用するには、住んでいる市区町村への要介護認定の申請が必要です。

要介護認定とは、介護が必要な状態であると市区町村が認定することです。要介護認定を受けることによって、介護保険の給付を受けられるようになります。

ただ、要介護認定の手続きや書類作成には手間がかかり、利用者の方や家族の方には負担が大きな部分もあります。

そこで市区町村の介護保険課から依頼されて、聞き取り調査の代行をしたり書類作成など申請のお手伝いをすることもあります。

4.モニタリング

実際に介護サービスが開始されてから定期的に訪問して、利用者の状態やサービス内容の確認をします。

利用者に話を聞きながら、必要に応じてケアプランの見直しを行います。

利用者にとってより良いサービスであるために、利用者の状態の変化を把握して継続的に管理します。

5.サービス担当者会議の運営

定期的に、利用者、家族、介護事業所の担当者、主治医(かかりつけ医師)などが集まり、現在のサービスについて意見を聞くほか利用者の要望にあわせてサービス内容の変更などについて話し合います。

開催のセッティングもケアマネジャーの仕事です。

6.介護保険の請求・給付管理

利用者のサービス事業所が介護保険の請求ができるように給付管理をします。

事前準備としてサービス利用事業所の請求担当者にフェースシート、サービス計画書などの必要書類を渡します。

実際にサービスが始まってからは、サービス利用票、サービス提供票、給付管理票を作成しサービス利用事業所に提出します。

その後、サービス事業所から給付費明細書の作成のための実績報告の確認も行います。

7.各介護サービス事業所との連絡調整

サービス事業所から利用者の利用日・時間の追加、変更希望の連絡を受けたら、サービス提供票(必要な場合にはサービス計画書も)を修正します。

介護保険の制度上、サービス事業所はケアマネジャーの提供票の記載を超えるサービスを保険請求できないので修正する必要があります。


これ以外にもさまざまな仕事があり、まさに利用者が安心して介護サービスを受けるための縁の下の力持ちがケアマネジャーの役割です。

ケアマネジャーの種類

ケアマネジャーには、居宅介護支援事業所のケアマネジャー施設ケアマネジャーがあります。

居宅介護支援事業所のケアマネジャー

  • 事務所(居宅介護支援事業所)から利用者の自宅に訪問
  • 居宅介護支援事業所のケアマネージャー1人が担当する利用者は35人以下と法令で定められています。

施設ケアマネジャー

  • 決まった施設に勤務して、その施設利用者のケアプランを策定します。
  • 施設ケアマネジャーは100件(介護保険施設100人の利用者に対し最低1人の配置義務付け)

ケアマネの活躍できる場所

ケアマネと談笑する老夫婦
  • 指定居宅介護支援事業所
  • 地域包括センター
  • 市町村
    • 保健福祉センター
    • 保健センター
  • 介護保険施設
    • 介護老人福祉施設
    • 介護老人保健施設
    • 介護療養型医療施設
  • その他
    • 有料老人ホーム
    • グループホーム
    • ケアハウス
    • 社会福祉協議会

ケアマネジャー Q&A

ケアマネジャーにはどうしたらなれますか?

「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格後、実地研修を修了することが必要です。

試験を受けるには受験資格がありますか?

保険・福祉・医療分野の国家資格(法定資格)+実務経験5年、もしくは相談援助業務+実務経験5年以上が必須です。

詳しくは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格を参照してください。

ケアマネ給料はどのくらいなのですか?

ケアマネの給料については、ケアマネの給料・年収は?をご覧ください。

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奥さん(監修者)が現役の介護福祉士・サービス提供責任者のLITTLE SMILES(管理者)です。現場の生の情報をもとに、介護の資格と介護転職に役立つ情報を発信していきます!

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