実務者研修は、スクールによって「通学コース」と「通信+通学コース」の2種類の受講スタイルがあり、自分にあった受講スタイルを選ぶことができます。
カリキュラムには、通学での受講が必須の科目があり、通信だけのコースはありません。
ここでは、それぞれの受講スタイルのメリット・デメリットを比較検討できるようにまとめてみました。
実務者研修の受講スタイル
通信+通学コース
通信で添削指導を受ける自宅学習と通学での受講を組み合わせたカリキュラム。自宅学習はテキストを見ながら自分で学習し、毎回出される課題レポートを提出し理解度を確認しながら進めます。
介護過程III、医療的ケアなどの演習は教室に通学して受講します。
実務者研修を通信+通学コースで取るメリット
- 時間や場所を選ばないので、働いている方も自分のペースで学ぶことができます。
- 通学日数が短期間なので、教室に通う負担が少なくなる。
- テキストを読み進める自宅学習は、介護福祉士の筆記試験対策にもつながります。
すでに何年も実務経験を積んでいる方は、介護知識もあり自宅学習でも理解しやすい内容です。仕事のペースもわかっているので、勉強に当てる時間も効率よく使うことができます。
通信+通学コースのデメリット
- 一人で学習を進める部分が多いので、レポート問題の提出もダラダラとなりやすい。
- わからない部分があっても後回しになりやすく、最悪の場合、途中で挫折することもある。
自宅学習というと楽なイメージがありますが、実際に自分一人でテキストで勉強するのはなかなか難しいものです。通信では自宅学習での範囲が広いため、特に実務未経験者や知識がない方にとっては学習につまづきやすい部分があります。
通学コース
すべての科目を教室に通って受講するコース。介護職未経験者や無資格、自分で勉強するのが苦手な方にとってはオススメの受講スタイルです。
スクールによっては、昼間の授業だけでなく、平日の夜間コース、土日コースなど働きながら通うことができるコースもあります。
途中で挫折せずに修了するためには、自宅や職場から近く、通いきれる通学コースを選びましょう。
実務者研修を通学コースで取るメリット
- 教室で講師に直接質問できるので、疑問や不安はその場で解決できます。
- 介護実務未経験者でも直接指導が受けられるので、難しい内容も安心して学習できます。
- 同じ目標を持った仲間と勉強することで、意識も高まる。
1人ではなかなか勉強がはかどらない人も、教室に行きさえすればカリキュラムを進めることができます。共通の目標を持った仲間と一緒に学ぶことができるので、情報交換もできモチベーションも維持しやすい環境だといえます。
また、講師が目の前にいるので、わからないことがあればすぐに聞くことができるのは大きなメリットです。
通学コースのデメリット
- 実務者研修は無資格者では約6ヵ月と非常に期間が長いので、通うことの負担が多い教室を選ぶと挫折しやすい。
- 教室が自宅や職場から遠かったりすれば、交通費がかかったり通学に時間がかかります。
仕事をしながら通学するには、夜間に行ったり休みの日に行くことになります。修了までモチベーションが下がらないように、通学に負担の少ない場所を選ぶことが重要です。
保有資格による受講期間とスクーリング日数
保有している資格の種類によって免除科目があり、受講期間・受講時間数が短縮されます。すでに資格を持っている方は、通学の負担も軽くなり、受講スタイルも選択肢が増えます。
保有資格 | 受講期間目安 | 科目 | 必須通学日数 |
---|---|---|---|
無資格 | 6ヵ月 | 20科目 | 6~9日 |
介護職員初任者研修修了者 | 4ヵ月 | 10科目 | 6~9日 |
ホームヘルパー2級修了者 | 4ヵ月 | 11科目 | 6~9日 |
ホームヘルパー1級修了者 | 2ヵ月 | 1科目 | 6~9日 |
介護職員基礎研修修了者 | 1ヵ月 | 1科目 | 1~3日 |
※受講期間目安と必須の通学日数(スクーリング)は各スクールごとに違いがあります。
スクーリング(通学)が必須な科目
- 介護過程III 45時間
- 医療的ケアの演習 〜16時間 ※各スクールごとに違いがあります。
まとめ
「通学コース」がいいか、「通信(自宅学習)+通学」コースがいいか?自分の性格や資格の有無、職場の環境、使える時間など総合的に考える必要があります。
途中で挫折することなく、修了証書を手にすることができるように無理のないコースを選びましょう。
介護職で働いたことがない実務未経験者が介護初任者研修をとばして受講する場合は、自分一人でテキストで学習するには理解が難しい部分もあります。介護実務未経験者が実務者研修を受講するには、通学コースでの受講がおすすめです。
また、実務経験があり施設などで働きながら取得を目指す方でも、一人での学習が苦手な方やモチベーションが上がらない方は通学コースでの受講を選んでみてはどうでしょうか。
通学は大変というイメージがありますが、同じ目標を持った仲間との授業は楽しく新鮮な部分もあり、続けられる要素になります。通学での講師の体験談なども交えた講義や仲間との情報交換は、将来的にあなたのメリットになるはずです。
計画的に進めることができる方、強い意志を持って学習できる方にとっては、「通信(自宅学習)+通学」コースは効率よく自分の時間を使えるコースだといえます。サポート体制も整っているので、無理なく学習できます。
介護福祉国家試験を受験する目標を持っている方は、受験申し込み締め切りまでに修了できるように早めに受講を申し込みましょう。
介護福祉士国家試験の実務者研修修了期限については、別記事の「介護福祉士国家試験に間に合うように実務者研修を修了するには?」をご覧ください。
実務者研修講座の選び方については、別記事の「実務者研修スクールの選び方【6つのポイント】」でも詳しく解説しています。
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